古着の楽しみ方:タイプ物とは
タイプ物とは、同じ型紙で生産された大量生産型の服のことです。大量生産が可能になったのは、19世紀半ばにミシンが発明され、服の製造工程の大幅な短縮が実現したからです。タイプ物は、その特性上、同じ服を多くの人が着るようになりました。そのため、コーディネートを工夫しないと、他人と服装が被ってしまう可能性があります。
タイプ物の歴史は、19世紀にさかのぼります。1846年に、イライアス・ハウがミシンを発明し、服の生産性が大幅に向上しました。これにより、タイプ物の生産が可能になり、ファッション業界に大きな変革をもたらしました。また、1851年に開催されたロンドン万国博覧会では、世界各地から集まった人々が、さまざまなタイプの服を目にする機会を得ました。これは、タイプ物の普及に拍車をかけました。
20世紀になると、タイプ物の生産はさらに拡大しました。1910年代には、ヘンリー・フォードが大量生産システムである「フォード生産方式」を導入し、自動車の生産性を大幅に向上させました。このノウハウが、服飾業界にも応用され、タイプ物の生産が飛躍的に増加しました。1920年代には、コココ・シャネルが、女性に動きやすい服を提供するために、メンズライクなデザインの服を提案しました。この「シャネルスーツ」は、タイプ物として大流行しました。
第二次世界大戦後、タイプ物の生産はさらに拡大しました。1950年代には、アメリカで若者を中心とした「ティーンエイジャー文化」が台頭し、ファッション業界にも大きな影響を与えました。この「ティーンエイジャー文化」を象徴するのが、ジーンズです。ジーンズは、もともとは労働者が作業着として着用していた服でしたが、1950年代に若者に人気を博し、タイプ物として広く普及しました。